2022年3月16日

今流行りの点群データ!
ドローン測量で得られる3次元データが熱い

近年の測量のトレンドは、3次元データの取得にあります。その理由は、2次元データと違い高さを持っているデータなので、利用用途が格段に広くなるからです。

実は3次元データは、昔からCADで利用されてきました。いわゆる3DCADなのですが、このデータは建築分野で多く利用されています。

現代で使われている3次元データは、測量で得られるデータを指して呼ばれることが多く、土木分野や建設分野で3Dモデルの作成や、土量の算出などが、リモートセンシングで得られるデータとなっています。

そして、最近では点群データの取得も可能で、しかもドローンで撮影した画像から取得できるようになっています。

今回は、ドローン測量で得られる点群データについて解説しましょう。

3次元データは震災後の除染作業にも利用されてきた

3次元データの一つの歴史を振り返ってみると、東日本大震災後の除染処理にも活用されてきました。約10年前に遡りますが、放射能の除染作業の管理にGISと3DCADにて3次元データが利用されています。

屋根や樋の除染管理には高さが必須条件となった

除染に3次元データが使われる理由は、除染面積を計算する必要があったことと、除染した個所を図面として管理する必要があったからです。住宅の除染は、屋根や樋にも施されます。屋根形状は各住宅で異なりますし、樋も縦樋と横樋があり、設置されている場所や高さもさまざまです。

ですから、除染した樋の位置、屋根の面積を計算するには、除染位置を立体的に展開する必要がありました。

そこで、現場で取得した3次元データをGISで解析し、3DCADで展開して立体図面を作成していたのです。除染後の管理も3次元データで行うことで、紙媒体の保管をしないようになりました。

なにせ数百万件以上のデータを管理するので、紙媒体での保管はナンセンスですからね。

GISを利用することで立体的な面積計算が自動で行えた

この当時では画期的な技術として、GISにて除染の面積計算が行われていました。

駐車場などの土地への除染面積は平面なので、面積の算出はカンタンです。ところが、樋だと縦樋はパイプで横樋は半円形状です。屋根においては斜めですし、壁面も加わるので平面として計算するには、いくつものパーツに分解する必要がありました。

そこで、GISにて3次元データとして解析を行うことで、住宅の除染個所をポリゴンで指定すれば、カンタンに除染面積を計算してくれます。

GISでの3次元データの利用で、現場作業は格段に楽になりました。それでも、現代と比較すれば、多くの工程を必要としていたことは否めませんね。

このころから、測量分野でも3次元データが利用され始めていて、公共測量以外のシーンで3次元データの利用が盛んになっています。

災害査定用の現場測量は超原始的な方法で測量していた


出典:国土交通省 災害査定の留意点について
http://www.zenkokubousai.or.jp/download/11saigaisatei.pdf

大雨で河川の堤防などが崩れて復旧を行う際に、先ず行われるのが災害査定用の現場測量です。

これは、災害復旧の予算を算出するために行われる測量で、とても原始的な方法で行われてきました。

災害査定の測量はポールを組み立てて写真を撮る

ポール横断と呼ばれる、20cm間隔で赤と白に色分けされた全長2mの木製のポールを、崩れた個所に組み立てて写真を撮影。(長い距離にはレベル用のスタッフを使用)撮影した写真から、ポールの目盛りを読み取って崩れた土量を算出していました。

ところが、現代ではこの災害査定も、3次元データを利用して査定が行われるようになっています。この災害査定は、被災後2ヵ月以内に実施することが原則とされているため、現場は1週間から2週間以内に完了する必要がありました。

写真を見てお分かりのように、多くの人員が必要でありポールの組み方の知識も必要なので、測量会社泣かせの現場だったのです。

災害査定でも点群データが活用されるようになった


出典:日立建機 災害査定を楽にしたい点群をポール測量の代替に
https://www.hitachicm.com/global/wp-content/uploads/2021/07/t-higashi.pdf

そんな面倒な災害査定も、現代では3次元データを活用し点群データを生成。点群データ解析ソフトを利用して、断面図を作成し測量現場の効率化を図っています。

2018年7月に起きた広島の土砂災害後の災害査定時に、点群データをポール横断の代わりにする試みが行われています。東広島市が日立建機に相談し、当時、日立建機の技術であった「Solution Linkage Survey(SL-Survey)」を利用して、被災個所の状況を点群化し、点群処理ソフトで縦横断を抽出可能か、調査・実証を行っています。

1:被災した市内の田やため池の現況をSL-Surveyで撮影して3次元モデルを生成
2:スマートフォンから完成した3次元点群データ(LASファイル)を取り出して、パソコンの点群処理ソフトで加工
3:点群処理ソフトは、点群から任意の場所の断面図を切り出してCAD形式のデータとして出力が可能
4:任意の個所を災害査定設計書のフォーマットに貼り付けて利用

点群データをポール横断の代わりに利用することで、現場作業は概ね8時間程度の効率化が実現しています。

国土交通省も災害査定の現場にICT技術の導入を決める

実は現在では国土交通省も災害査定の現場に、ICT技術を活用し現場作業の省力化と迅速化を図るように推進しています。

国土交通省の規定では多くが公共測量となり、ミリ単位の精度が求められますが、災害査定では「±10cm」の精度で十分なのです。

ドローン測量による点群データの取得で十分


出典:国土交通省 災害復旧等の迅速化・効率化に関するICTの活用
https://www.mlit.go.jp/river/bousai/hukkyu/pdf/00-index-ict.pdf

災害復旧等の迅速化・効率化に関するICTの活用として、国土交通省は次のICT技術の活用を検討しています。

・衛星リモートセンシング
・航空レーザー測量
・3Dレーザースキャナー測量
・MMS測量(レーザー)
・UVA測量(レーザー)
・マルチビーム測量(音波)
・水中3Dソナー測量(音波)

これらの手法で取得した3次元データから点群データを作成し、災害査定に活用することを検討しています。中でも、UAV測量はドローン測量のことであり、機器の調達も容易なのでこれから多くの災害査定の現場で利用されることが予想されます。

グラフを見ると、精度にバラツキがみられますが±10cmの精度なら、ドローン測量でも確保が可能です。

従来のポール横断は非常に大変な作業で、現場によっては時にメートル単位の誤差が生じることもありましたから、安全で効率的なドローン測量の活躍の余地が大きいことがお分かりいただけるでしょう。

建設業界などでは i-Constructionによって3次元測量がデフォルトとなった


出典:国土交通省 測量・設計業務におけるi-Constructionについて
https://www.cgr.mlit.go.jp/icon/pdf/sokuryou_sekkei_ver2906.pdf

建設業の生産性向上への手法の一つとして、国土交通省が進める「i-Construction」があります。

i-Constructionでは、最初にドローンなどで測量を行い、3次元データを取得してから、設計・施工計画を行います。

つまり、i-Constructionでは3次元データが取得できないと、次の工程に進めることができない仕組みです。その結果、建設業界では3次元データはデフォルトとなっています。

点群データは点が集まったデータのこと


出典:YouTube「静岡どぼくらぶ」ちゃんねる 「VIRTUAL SHIZUOKA」
https://youtu.be/dbRRwQje9Fo

ここまでで、3次元データの利用が「3DCADから始まり、現代では点群データとして利用されている」ことを解説してきました。

ここでは、その点群データの内容を詳しく解説していきましょう。

そもそも点群データってなに

点群データとは、点が集合したデータです。先の画像は静岡県がオープンデータとして公開している、点群データを利用して作られた動画です。

点群データには、数千万点以上の点が集まっていて、その1点ごとに「X,Y,Z」の座標値が格納されています。また色の情報である「R,G,B」も格納されているので、点が集まると写真のような画像を表示することが可能となります。

しかも、高さの座標であるZ値も格納されている3次元データなので、立体的に見ることも可能です。

点群データは3次元測量によって取得可能

点群データの各点には、3次元の座標が格納されていることをお伝えしています。ですから、点群データを取得するには「3次元測量」が必要不可欠となってきます。

3次元測量については後ほど詳しく解説しますが、主に次の測量方法で取得されます。

・地上設置型の3Dレーザースキャナー
・ドローンを使った航空レーザー測量
・レーザースキャナーを搭載した車両を使った移動型3D計測(MMS)

また、直接3次元測量を行わなくても、複数枚の写真から形状を復元する技術によって、3次元データの取得も可能なのです。この手法からも、点群データの作成ができます。

点群データ生成までの5ステップ

先にお伝えした3次元測量を行えば、直ぐに点群データを取得できるようにイメージされがちですが、実際にはそうはいきません。現地にて3次元測量を行ったあと、オフィス内でソフトを利用して、点群データを生成する必要があります。

ステップ1:現地で取得したデータを専用ソフトに取り込む
ステップ2:事前処理で位置合わせやノイズ除去を行う
ステップ3:寸法計測や干渉チェックなどの解析処理を実行
ステップ4:モデリングにて3Dモデルやメッシュデータを作成
ステップ5:必要に応じたフォーマとファイルの作成

このように、最低でも5ステップを経て活用できる点群データとなります。

3次元測量で得た点群データのデメリット

現場で3次元測量を行う際には、ほとんどがレーザー測量となります。大まかに説明すると、レーザーを照射して物体に反射して戻ってきたレーザーを取得することで、物体の位置を把握するのがレーザー測量なのですが、実はデメリットも存在します。

例えば、空中から地上の状況を把握するために、レーザー測量を行ったとしましょう。この時、大量の点を取得することとなるのですが、地形以外のモノも取得してしまいます。

道路を走る車や自転車、人などは目標物とはなっていません。また、鳥の群れが飛んでいた場合も鳥に当たって跳ね返ったレーザーを取得します。つまり、ゴミと呼ばれる「不要な点」を除去する必要があるのです。

ある程度は、ソフトのフィルタリング機能を利用して除去することが可能ですが、細かなところは人力で行う必要があり、意外に労力を要することとなります。このゴミ処理(ノイズ除去)に手間がかかるのが、レーザーを使用した3次元測量のデメリットとなります。

点群データの活用例

点群データは先の解説でもお伝えしているとおり、災害査定の測量現場で活用されています。当然、その他にもさまざまなシーンで点群データは活用されてきています。

YouTube「静岡どぼくらぶ」ちゃんねる 「VIRTUAL SHIZUOKA」では、静岡県が「3次元点群データでめぐる伊豆半島」として、観光PRに活用しています。それ以外にも、次のようなシーンで点群データは活用されています。

・高速道路、橋梁、トンネルなどの点検
・プラント設備などの配置や設計検討および保全
・災害による被害確認
・地図作成(GIS)
・重要文化財、公共施設のデジタルアーカイブ

点群データは3次元データなので、これまでの2次元データと違い利用できる用途はアイデア次第で広がっていきます。

点群データを取得する4つの方法を詳しく解説

それでは、ここからは点群データを取得する、4つの方法を詳しく解説していきましょう。

直接3次元測量を行うのはレーザー測量で、複数枚の写真から点群データを取得する方法が「SfM・MVS」となります。

地上設置型3Dレーザースキャナー


出典:国土交通省 ICT活用工事の手引き(地上型レーザースキャナー等による出来形管理編)
https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/i-construction/qgl8vl0000004oe4-att/TLS_180709.pdf

地上設置型3Dレーザースキャナーとは、パルス式レーザーを使用した地上型3次元レーザースキャナーを使用し、構造物や地形などの計測対象物の形状を、3次元座標の密集した点群データとして取得する方法です。

3Dレーザースキャナーは地上に固定された状態でレーザーを照射するので、設置点から360度の照射が可能となります。ただし、移動しながらの計測は不可能となっています。

地形測量や建築物や構造物などの計測に多く利用され、特にお城の石垣の計測にはよく利用されます。

UAVによるレーザー計測


出典:国土交通省 無人航空機搭載型レーザースキャナーを用いた出来形管理の監督・検査要領(土工編)
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/constplan/content/001396065.pdf

UAVによるレーザー計測とは、「レーザースキャナー、GNSS、IMU(慣性計測装置)」などをUAVに搭載し、低空飛行しながら行う移動計測のことです。

低空からのレーザー計測以外にも、自己位置や姿勢情報などの補正情報なども取得し、調整計算や解析を行うことで、高密度高精度な三次元点群データを取得します。

UAVとは「無人飛行機」のことであり、多くの場合ドローンを指して呼んでいます。ドローンを利用する場合には、GNSS、IMU(慣性計測装置)はドローンの基本機能に搭載されているので、カメラをレーザースキャナーに交換し、送信機をカスタマイズすれば利用できます。

MMS(Mobile Mapping System)による取得


出典:国土交通省 河川管理におけるMMS利活用事例集
https://www.ktr.mlit.go.jp/ijikanri/content/07_001.pdf

MMSとは「モービルマッピングシステム」の略で、3次元レーザー計測機とデジタルカメラによって、道路面および道路周辺の3次元座標データと、連続カラー画像を取得する車両搭載型測量システムです。

道路面だけでなく、河川維持管理に堤防を計測する目的でも利用されています。いずれも、車両に「レーザー装置・カメラ・GNSS・IMU(慣性計測装置)」を取り付けて、走りながらレーザーを照射することで、道路や堤防の地形を3次元点群データで取得します。

車両代、各種装置代などを含めると費用は1,000万円以上必要となるので、専門の企業や国の機関でしか所有されていません。

SfM(Structure from Motion)による取得

SfM(Structure from Motion)とは、3次元化したい対象物をカメラで複数枚撮影するだけで、3次元データを作成する画像解析技術です。使用するカメラは、特殊なカメラではなく市販のデジタルカメラやスマートフォンのカメラでもOK。ドローンに搭載されているカメラでも、もちろん問題ありません。

ただし、撮影の方法には工夫が必要となります。ソフトによって画像解析を行うために、オーバーラップ率は85%以上必要となります。オーバーラップとは、同じ領域が複数枚の写真に映るように撮影することですが、85%なので対象物をラップさせた、多くの枚数を撮影する必要があります。

3次元データを取得するステップは、次のとおりです。

ステップ1:対象物をカメラで複数枚撮影
ステップ2:画像に写っている特徴点を手がかりとして撮影時のカメラ位置を算出
ステップ3:特徴点から三角測量により復元された低密度点群データを生成

SfMは、多視点画像からの3D形状復元と言われていて、生成される点群データは低密度となります。低密度と聞くと「データが粗いのでは?」と思われがちですが、3次元データとしては全然問題ありません。

テクスチャ付のポリゴンモデルを生成するには、高密度点群データの方が優位になりますが、必要であれば、MVS(Multi-View Stereo)多眼ステレオの手法にて、取得が可能です。

最も採用されているのは「ドローン×SfM」による取得法

先の解説にて、3次元点群データの内容や取得方法はお分かり頂けたでしょう。点群データを取得する方法として最も採用されているのは、ドローンで撮影した画像をSfM処理にて取得する方法です。

3次元レーザー測量は特殊なので誰もが行うことができない

ドローンや車を利用したレーザー測量や、地上設置型レーザースキャナーを利用したレーザー測量などは、使用する機器が特殊なので誰もが利用することができません。

MMSはお伝えしている通り1,000万円以上の費用が必要ですし、地上設置型レーザースキャナーも数百万円と高額です。ドローンなら安く済むとイメージできますが、搭載する小型レーザースキャナーが高額なので、ドローンでも費用は高額になってしまいます。

さらに、計測した点群データを解析するソフトも特殊なので高額になりますし、ソフトを扱うには専門の知識が必要となってきます。

SfMは写真を選ばないし安価でソフト開発が可能

SfMはオーバーラップ率80%以上の写真が複数枚あれば、画像に写っているモノを3次元形状に復元できるソフトです。SfMソフトにはさまざまな種類があり、カスタマイズして専用のソフトを作ることもできます。

先のレーザー測量では、直接3次元点群データを取得可能ですが、活用できる点群データにするには、いくつかの作業工程が必要でした。しかも、不要なゴミと呼ばれる点を削除する必要もあり、システムやデータ自体を理解していないと正確な点群データの作成には至りません。

その点、SfMを利用すれば専門の知識を必要としないで、3次元点群データを取得できる大きなメリットが存在します。ですから、ドローン撮影とSfMとの組み合わせが最も採用されているのです。

「くみき」なら、カンタンに点群データを取得できる

カンタンに誰もが、点群データを含む「3次元データ」を、扱うことのできるサービスがあります。そのサービスは、スカイマティクスが提供する「ドローン測量・現地管理DXツール くみき」です。

「くみき」を利用すれば、ドローンで撮影した写真さえあれば誰もがカンタンに、3次元データを取得できて、各種計測や位置補正までも行うことができます。

「くみき」があれば測量・データ生成・管理までワンストップ

「くみき」は、ドローン測量データから、現場確認の画像・動画データまで、「ワンストップ&シームレス」で、業務をまるごと管理できるサービスです。

高価なスペックの高いパソコンや専用ソフトは不要で、インターネットへの接続環境があればOK。時代と共に買い替えの必要がある機器が不要なのは、嬉しいメリットです。

しかも、利用方法はドローンで撮影した画像を、専用のクラウドサイトにアップするだけで完了。解析はクラウド上にてAIによる画像処理が自動で行われるので、待っているだけで解析が完了し、3次元データを直ぐに活用できます。

3次元データもクラウド上の「くみき」によって、直感的な操作と豊富なメニューにて誰もが測量・計測ができます。

つまり、ドローンで撮影した画像解析、3次元データの生成、データ計測、管理、など「くみき」があれば、業務全てをワンストップ&シームレスに行えます。

3次元データの生成だけじゃない「くみき」の機能一覧

ドローン測量サービス「くみき」は、3次元データがカンタンに取得できるだけではありません。豊富な機能による使いやすさ、汎用性に優れたサービスとなっています。

まとめ

現代では3次元点群データは、さまざまな分野で活用されています。ですが、3次元レーザー測量を行えるのは、専門の企業もしくは政府機関に限定されてしまうのも事実です。

ただ、SfMソフトを利用した3次元データの取得は、誰もが広く活用できる手法となっています。その結果、「くみき」のように誰もがカンタンに、3次元データを活用できるサービスも登場しています。

公共測量などミリ単位での精度が求められる測量は、専門の測量会社などが行いますが、工事現場や建設現場など±10cm程度の精度でOKなら、便利に利用できるサービスが有効となってきます。

誰でもカンタンに利用可能な「くみき」のサービスが、どのようなモノか、問い合わせてみてはいかがでしょう。