衛星画像を活用する!衛星画像のキホンから
価値を最大限に生かすポイントを学ぶ

目次
地球観測衛星とは? 地球観測衛星の基本 ドローンとの違い!衛星画像が役立つ適切な用途 衛星データを手軽に利用するために重要なこと 衛星画像の活用には、クラウド型衛星画像解析サービス「くみきSAT」がおすすめ まとめと今後の展望
衛星データ(衛星画像)は、近年ますます注目されるようになり、地球規模での観測や分析を可能にし、その活用範囲も広がっています。特に、災害対応、環境監視、農業、インフラ管理など、さまざまな分野での利活用が期待されています。しかし、その一方で、衛星データを「手軽に利用する」という点においては、依然として多くの課題があります。
そこで、本記事では、「地球観測衛星」の基本的な情報から、衛星データの活用に役立つポイントや要素について解説していきます。
地球観測衛星とは?
地球観測衛星とは、地球の大気や地表、海洋などを観測するために打ち上げられる人工衛星です。これらの衛星は、地球環境や災害監視、農業、都市計画、森林管理など、多岐にわたる分野で活用されています。衛星は、地球全体を広範囲に観測することができ、上空からの視点でデータを取得するため、地上では得られない情報を提供することが可能です。
この地球観測衛星には、光学カメラや合成開口レーダー(SAR)を用いて地表の変化や環境情報を取得したり、可視光、赤外線、マイクロ波などさまざまな波長で観測したりするものがあり、一般的に地球観測衛星で撮影された画像を「衛星画像」と呼びます。
世界中で使われているGoogle Mapに使われている画像の多くも「衛星画像」であり、誰もが衛星画像を使った生活をしているといっても過言ではありません。

地球観測衛星の基本
地球観測衛星で行うことは、「衛星画像」を取得することです。その際に重要なことは、どのような衛星で、どのぐらい細かい情報を、どのぐらいの頻度と間隔で取得したいかという目的に応じて利用する衛星が変わってくることを知っておくことです。
それでは、地球観測衛星でよく使われる用語を用いながら、地球観測衛星の基本について解説していきます。
光学衛星
光学衛星は、可視光や近赤外線など、目に見える範囲の光を利用して地表を撮影する衛星です。これらの衛星は、解像度が高く、都市部や森林、農地などを高精度で観測できます。主に風景や地形の写真のような画像を生成しますが、気象条件(雲や降水など)に影響されやすいという特徴があります。晴れた日や雲の少ない日に強力な観測能力を発揮します。
SAR衛星
一方、SAR(SAR: Synthetic Aperture Radar、合成開口レーダー)衛星は、電波を照射し、地表で跳ね返ってきた反射情報を受信・解析することで地表を観測します。このため、気象や昼夜を問わず安定したデータを取得できるという特徴があります。SAR衛星は、土地の変化や建物、災害時の建物の倒壊や洪水などを監視する際に非常に有効です。例えば、洪水の拡大状況や地震後の地殻変動など、光学衛星では観測が難しい状況でも、解析することで高精度なデータを提供します。

引用:株式会社スカイマティクス作成 光学衛星とSAR衛星
解像度
衛星画像の解像度は、画像の細かさを示す指標です。高解像度の衛星画像は、より詳細な地物を識別できるため、都市計画や建設業務において非常に役立ちます。例えば、解像度が50cmの衛星画像では、車を識別でき、1mの衛星画像では、建物や道路を明確に確認でき、解像度が10mであれば、広範囲の土地利用や森林管理などに適しています。しかし、解像度が高いほどデータ量が増え、処理や解析に時間を要します。
時間分解能
時間分解能とは、特定の地点を何回観測するかを示す指標であり、衛星がどのくらいの頻度でデータを取得できるかを意味します。例えば、時間分解能が1日であれば、その地点を1日に1回観測することができます。時間分解能が高いほど、変化を早期に捉えることができ、例えば災害発生後の変化を迅速に把握することが可能になります。近年は、コンステレーション衛星という複数の衛星を打上・運用することで、時間分解能を高めることが主流になっています。
回帰日数と再訪日数
回帰日数とは、衛星が同じ地点を再訪するまでの周期のことを指します。例えば、回帰日数が16日であれば、同じ地点の上空を16日ごとに通過することを示します。再訪日数は、同じ地点付近の上空を通過する日数、言い換えれば実際に同じ地点を観測するための間隔を意味し、特定の地域の観測頻度を示します。衛星の回帰日数や再訪日数は、使用する衛星の種類や軌道によって異なりますが、これらを考慮することで、適切な間隔で衛星画像を取得できるようになります。

引用:株式会社スカイマティクス作成 回帰日数と再訪日数
ドローンとの違い!衛星画像が役立つ適切な用途
近年、空撮画像といえばドローンが使われることが増えてきました。上空数百kmから撮影された「衛星画像」と上空数十mのドローンで撮影された「ドローン画像」では、解像度は圧倒的にドローンが上回ります。従い、衛星画像の活用にあたっては、衛星にしかできない価値を最大限に生かすことが重要です。
超広域に見る
数十km2〜数百km2を一枚の画像で撮影でき、これほど広域でも撮影の手間と労力はありません。ドローンの場合、パイロットにより数日間の撮影が必要となります。
同じ撮影条件で見る
衛星は同じ軌道を定期的に通ることから、同じ撮影条件で画像を取得でき、時系列で簡単に比較できます。ドローンの場合、パイロットや撮影日の影響によりバラツキがありますから、全く同じ条件で撮影することは困難です。
長期で定期的に見る
超広域を同じ条件で撮影できるからこそ、長期にわたり定期的に観測することに向いています。ドローンの場合、パイロット・天候・ドローンの変更などの影響を受け、同じ条件で長期に亘り定期的に観測するには多大な費用を要します。
見えないものを見る
SAR衛星のような特殊な衛星画像に対して、専用の解析手法を適用することで、地盤の変位や浸水エリアの特定など目視では見えないものも見れるようになり、新たな発見があります。
悪天候や夜間で見る
SAR衛星を使えば、雨でも曇りでも夜でも画像を取得し、解析することで詳細な現況を確認できます。雨でも飛行できるドローンが登場していますが、雨天でも超広域を撮影できるメリットはSARにはまだまだ及びません。
無料で全世界を見る
欧州宇宙機関(ESA)のSentinelシリーズなど、世界には無料で提供されている衛星画像があります。解像度や時間分解能に制限がある場合もありますが、無料で全世界網羅されている衛星画像を解析することで、災害監視、環境調査など幅広く活用できます。

衛星データを手軽に利用するために重要なこと
ここまで、地球観測衛星に関する基本的な情報を紹介しました。衛星画像を手軽に利用するためには、これらの基礎知識を踏まえて、以下のようにデータの取得方法や解析のプロセスを簡便化するだけではなく、解析結果を分かりやすくし、日常業務で使えるようにすることが重要です。
データ取得の簡便さ
従来、衛星画像の取得には専門的な知識や高額な費用がかかることが多く、データを使いたいユーザーがハードルを感じる原因の一つでした。自分に適した衛星画像を取得し、かつその取得作業をどれだけ効率化できるか、費用を低減できるかは極めて重要です。
画像解析による情報化
衛星画像には膨大な情報が含まれており、その解析には専門的なスキルや解析ツールが必要です。さらに、衛星の種別・解像度・ユーザーの目的などによって適用すべき解析技術は異なるため、専門家の間でもさらに専門性が求められます。最適な画像解析技術を適用することで、正しい情報を得ることができます。
ビジュアル化と理解のしやすさ
SAR画像や中低解像度の衛星画像では、一見しただけでは画像として視覚的に分かり難いものもあります。取得した衛星画像や解析結果をユーザーが直感的に理解できるようにビジュアル化し、ユーザーが必要な情報を素早く把握できるようにすることが重要です。
業務で使える使いやすさ
従来、膨大なデータ量がある衛星画像や専門的な解析結果を確認するためには、専門的なスキルや専用のツールが必要となることが多く、実用化に至らない要因の一つでした。日々の業務で使うためには普段お使いのデバイスで使える使いやすさが極めて重要です。
柔軟なデータ利用と他データとの統合
衛星画像は万能ではありません。スマホのような画像を取得することはできませんし、今すぐ撮影してという依頼に答えることもできません。衛星単独では解決できない課題に対して衛星データを活用するためには、スマホやドローンなど他のデータと統合して使える柔軟性が必要です。
GoogleMapが当たり前のように使われる理由の一つは、ユーザーが衛星画像を取得する必要がなく、普段お使いのデバイスで地図や他の情報と一緒に簡単に使えるGISサービスだからです。業務において衛星データを有効に活用するためにも同じことが言え、衛星画像の取得を不要にし、画像解析により情報に変え、その情報をいつでも手軽に利用でき、他の情報と一緒に使えるGISサービス化をすることが鍵になってきます。

衛星画像の活用には、クラウド型衛星画像解析サービス「くみきSAT」がおすすめ
前述のポイントを網羅し、衛星画像の取得の手間がなく、衛星画像を有効活用し業務に利用できるサービスとして、クラウド型衛星画像解析サービス「くみきSAT」 がおすすめです。
「くみきSAT」は「衛星データをもっと手軽に」をテーマに掲げ、衛星データの選定から解析結果の配信まで低価格かつ柔軟な料金プランで始められ、衛星データ活用の実用化に向けて、衛星データの価値を最大限に引き出すソリューションです。
導入シェアNo.1クラウド型ドローン測量サービス「くみき」の衛星画像解析版として提供されており、30業種・5万件を超える現場で利用されているGISサービスをベースにしていることは、ユーザーに安心感・信頼感を与えます。
「くみき」を活用したワンストップサービス
「くみき」のクラウドサービスを活用し、衛星データの選定から解析結果の配信までを一括で提供。専門的な知識がなくても簡単に利用可能です。
あらゆるデータに対応する高度な解析技術
衛星データ解析20年に及ぶ圧倒的な技術力と経験を生かし、衛星の種類を問わず、多様な業界や用途に対応する解析サービスを提供します。
スマートなインターフェースとデータ共有
解析結果は「くみき」上で表示・分析・共有が可能。「くみき」のUIを通じて圧倒的な直感操作ですぐに確認・共有できるため、誰でも簡単に利用でき情報共有や説明の手間が発生しません。
豊富な実用化サービスを活用したカスタマイズ
防災・林業・インフラ監視などの豊富な実用化サービスを有します。これらの経験を生かし、お客様の目的と予算に応じカスタマイズしたクラウド型解析サービスを提供可能です。
低価格かつ柔軟な価格体系
価格は都度利用の従量課金(スポットプラン)と定期利用の定額課金(サブスクプランを)ご用意。目的や予算を踏まえた低価格かつ柔軟な料金プランでニーズにお応えします。
まとめと今後の展望
地球観測衛星市場は急速に成長しており、衛星データの利活用がますます重要になっています。
衛星データを活用できる産業・企業は、衛星データを利用しない産業・企業と比べて、より高い社会貢献と競争力の向上を実現できる可能性があります。
衛星データを手軽に利用するためには、データ取得の簡便さ、画像解析による情報化、ビジュアル化、業務で使える使いやすさ、そしてデータの柔軟な利用と統合が必要不可欠です。
「くみきSAT」のようなプラットフォームを活用することで、専門知識がなくても衛星データを効果的に利用でき、さまざまな分野での業務効率化や意思決定を支援することができるようになるでしょう。