2023年3月13日

土量計算を簡単にやるならドローン測量がおすすめ!
コストパフォーマンス・人件費削減ができる!

作業現場の視察や現場調査、土木工事における進捗管理といったシーンにおいて「ここの土量ってどれくらい?」と聞かれると、以前では測量会社に委託して数日かけて返事をすることが当たり前でした。

ところが近年ではドローン測量にて、簡単に土量計算をおこなうことが可能となっています。ただ、ドローンがあるだけでは土量計算は不可能で、解析ソフトとの組合せによって可能となります。

さらに、従来と異なり図面だけではなく写真での説明も可能なので、とても分かりやすいというメリットがあります。そこで今回は、ドローン測量でも土量計算はできる!という点について解説します。

ドローン測量で土量計算が可能となる仕組みとは

まずはお題となる「ドローン測量でも土量計算はできる」仕組みを解説しましょう。

土量を知りたいというユースケースとしては、建設土木や採掘場、集積場などが考えられますが、まず運び出すべき土量が分からないと必要なトラックの台数が分かりません。

したがって、このような現場では土量計算が重要で、スピーディで正確な計算が求められます。もちろんトラックの台数を事前に計算できるだけでなく、土量を知ることで工程全般の計画であったり、進捗を確認することも可能となります。

次に、ドローン測量で土量計算をおこなうステップを紹介しましょう。

ステップ1:ドローンによる空中写真撮影をおこなう

まずはドローンによる空中写真撮影をおこないますが、撮影に際してはいくつかの条件を満たしている必要があります。

一般的な航空写真測量において基本となる飛行コースの設定や、オーバーラップ・サイドラップ率の指定などが、計測・測量用途でのドローン撮影においても必要となります。

フライトコースは現場によって異なりますが、ドローンを用いた空中測量の場合、3次元モデルを生成するために縦・横で重なり合う様に複数の写真を連続撮影する必要があり、縦をオーバーラップ、横をサイドラップと呼びます。

ラップ率が高いと測量に時間がかかりますが、ラップ率が低いと3次元モデルの品質が低下し、土量計算の際に精度誤差が大きくなる恐れがあり、適切な設定を行う必要があります。

ステップ2:解析ソフトに撮影画像をインプットする

次に先の条件を満たした撮影画像を、解析ソフトにインプットします。インプットの方法は解析ソフトによって異なり、スタンドアローンのパソコンにインストールしたり、クラウドにアップロードしたりとさまざまです。

そして、計算方法も解析ソフトによって異なりますが、なかにはクラウドにアップロードするだけで、自動計算してくれる便利なソフトも開発されています。

ステップ3:空撮画像から3次元点群データが作成され土量計算が可能に

多くの解析ソフトにて、できあがったオルソ画像から3D点群データが作成できます。この点群データが作成されることで、土量計算が可能となります。

見た目は立体的な画像ですが、その画像は無数の点の集まりでできているので、任意の場所を指定するだけで、その範囲内の土量が計算できるのです。

もしも解析ソフトがオルソ画像の作成までで、3D点群データを作成できなければ、土量計算をおこなうことはできません。その場合は別途、3D点群データを作成する解析ソフトが必要です。

ドローンはどんな機種でも測量できる?

土量計算には解析ソフトが必要なことは分かりましたが、肝心の空中写真を撮影するドローンは、どのような機種でもよいのか気になります。

空中写真測量ができる4K以上のスペックのカメラを搭載していれば、どんな機種でもドローン測量が可能です。

測量に使用できるドローンの性能全般に、特段の決まりが設けられている訳ではありませんが、公共測量に該当する場合には、別途、国土地理院の「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」にて記された、機能・性能を持つ機体とカメラを用意しなければなりません。

結論からいうと、20万円以下の小型機やホビー用のドローンは、測量に求められる性能を満たしていないと考えられるので注意が必要です。一般的に、業務用として販売されている20~30万円以上の価格帯のドローンなら、機種を問わず公共測量に対応しています。

民間企業の測量案件は発注者の基準次第ですが、多くは公共測量の規定に準ずるため、民間の測量案件を行う場合も、20~30万円以上の価格帯のドローンを用意するのが無難でしょう。

従来の土量計算は測量会社に依頼していた

先に解説したとおり、ドローン測量での土量計算は可能で、使いやすさに優れた解析ソフトで あればたった3ステップで計算ができてしまう場合もあります。しかも、現場の立体的な3次元の写真を見ながら、いつでも、どこでも、何回でも計算できるメリットも存在します。

では、ドローン測量を利用するまでの土量計算は、どのようにしていたのでしょう。実は、現場の土量計算をおこなうには、必要な度に測量会社に依頼していたのです。

測量士が計画してTS測量にて計算していた

国土交通省 九州地方整備局
http://www.qsr.mlit.go.jp/ict/technology/jitsugen_2.html

ドローン測量は3次元測量ともいわれていて、対象物のXY座標と高さであるZ値を取得できます。

この3次元測量が可能となる前は、測量会社の測量士がどのように測量するかを計画して、現場に数人が赴き、トータルステーション(TS)と呼ばれる機器で測量していました。

測量で取得した座標値をもとに、ソフトを使ってXYZの座標を割り出して土量を算出していたのです。

・結果の入手まで日数がかかり費用も高額
・測量した範囲しか計算できない
・専門のソフトを使うので測量会社しか計算できない

ドローン測量と比較すると、まるで人海戦術のような作業となるため、コストもかかり頻繁に土量計算をおこなうことができませんでした。

プリズムでおさえた場所しか座標は取得できない

従来のTS測量ではコストがかかるだけではなく、土量計算の精度にも問題がありました。比較的平らな土地の土量計算は問題ないのですが、凸凹が激しい現場では測量士の技量が問われるので、作業員が変われば精度も変わる問題があります。

TS測量はプリズムを設置した場所しか計測しないため、点数が少なければ精度は悪くなり、点数が多いと時間がかかり過ぎるデメリットがあります。

簡単にいえば、プリズムを設置した場所を線でつないで面積を計算するので、点数が多いほど詳細に面積計算ができます。ただし、どの点にプリズムを設置するかは測量士の判断にゆだねられるので、誰もが全く同じ点にプリズムを設置することは難しいのです。

その結果、測量士によって土量計算の結果が異なるデメリットが生じてしまいます。

ドローン測量なら測量士の技量に左右されない

ところがドローン測量なら、空中写真測量にてオルソ写真を作成し、そこから3D点群データを作るので、どんなに凸凹した地形でも正確に土量を計算することが可能です。

これまでの測量士の技量に左右されることなく、誰もが土量計算をできる解析ソフトを選んで利用すれば、測量会社に依頼する面倒がありません。

3D点群データができればどうして土量が計算できるのか

ドローン測量にて土量計算が可能となるのは、オルソ画像が作れて3D点群データを作成できるからです。

さらに、その点群データを解析してさまざまな計算ができるソフトによって、任意の範囲の土量計算が可能となります。では、どうして3D点群データができれば、土量計算が可能となるのでしょう。

3D点群データとは3次元座標値を持っている点の集合

3D点群データとは、X,Y,Zの3次元座標値と、R,G,Bの色の情報を格納している点の集合データです。

その点はとても小さなものなので、画面上で任意の範囲を指定するだけで各点のX,Y,Zの3次元座標を読み取ってソフトが免責や体積、断面の計測といった種々の計算をしてくれます。

解析ソフトがなければ土量計算はできない

既にお伝えしているとおり、ドローン測量にて土量計算をするには「ドローン+解析ソフト」が必要です。そして解析ソフトには、オルソ画像を作成し3D点群データを作れる機能が搭載されている必要があります。

さらに、できあがった点群データを解析・計算できる機能も有していなければなりません。つまり、これらの機能を搭載した解析ソフトなくしては、ドローン測量にて空中写真を撮影しても土量計算はできないのです。

レーザースキャナーでも3D点群データが取得できる

ここまで解説した方法以外にもレーザースキャナーによって、3D点群データの取得が可能です。

レーザースキャナーには、地上型レーザー・UAVレーザー・航空レーザー・車載型レーザーの4種類に分けることができます。これらのレーザースキャナーは、機器からレーザー光を放射して反射して跳ね返ってきた光を計測することで、3次元の点群データを取得します。

各点の3次元データと同時にカラー情報も取得可能で、もちろん土量計算も可能です。ただし、レーザースキャナーも解析が必須となるため、先に解説したドローン測量と同じく、解析ソフトがなければレーザー測量しても土量計算はできません。

オルソ画像とレーザー測量はどちらが土量計算に向いているのか

先のレーザースキャナーの分類にて、UAVレーザーがあることを紹介しましたが、これはドローンにレーザー装置を搭載してレーザー測量をおこなうものです。

同じドローンを利用した測量方法となるのですが、空中写真を撮影してオルソ画像を作成し3D点群データを取得する方法と、ダイレクトにレーザー測量にて3D点群データを取得する方法とでは、どちらが土量計算に向いているのか気になるとことです。

レーザー測量のメリットは、樹木などの影響を受けにくいので写真測量が不可能な場所に有効です。しかし、採石場や工事現場などでの土量計算なら障害物がなく、写真測量が可能です。

レーザー装置はまだまだ高額であり、ドローンに搭載できる小型のレーザー装置ならなおさらです。また、万一落下した際にレーザー装置が破損すれば、修理費も高額になるためパイロットも誰でもよい訳にはいきません。

コスト面や汎用性からいえば、オルソ画像から3D点群データを取得する方が、土量計算には向いているといえるでしょう。

ドローン測量は誰でも可能!パイロットに必要なスキルとは

ここまでドローン測量では、ドローンと解析ソフトがあれば土量計算が可能であることを解説してきました。

では、ドローンと解析ソフトがあれば誰でも測量は可能なのでしょうか。答えは、ドローンを正確にフライトさせ、使いやすいソフトを選定することができれば、誰でもドローン測量は可能です。

ここでは、パイロットに必要なスキルを解説しておきましょう。

基本的なフライトとホバリングができるスキルがあればOK

ドローン測量にて土量計算をおこなうには、ほとんどが公共測量に属しません。したがって、測量士などの有資格者でなくとも測量が可能です。

さらに、ドローンのフライトの申請も必要ないケースが多いので、国土交通省に申請する書類を省くことができます。実際に、申請が必要なDID地区(人口集中地区)内などのフライトなら、国土交通省に申請が必要です。

その際には、パイロットの経歴を届ける必要があります。許可が必要なケースではパイロットは10時間以上のフライト実績を持ち、離発着はもちろん、8の字飛行やホバリングが可能なスキルが必要です。

申請が不要なケースでは、10時間以上のフライト実績がなくても、離発着や8の字飛行、ホバリングなど基本的なフライトのスキルがあれば、ドローンの操縦は可能です。

自動航行アプリを使えばフライトに自信がない人でも安心

先にドローンの操縦は、基本的なフライトができれば可能であることをお伝えしました。実は、ドローンメーカーによっては、自動航行が可能となる優れたアプリが提供されているので、フライトに自信のない人でも安心してドローンを操縦できます。

たとえば、代表的なドローンメーカーであるDJI社では「GS PRO」と呼ばれるソフトが提供されていて、先にお伝えしている「オーバーラップやサイドラップ」も、非常に簡易に設定することが可能です。

現在ではこのような便利なアプリが利用できるので、誰でもドローン測量が可能な時代になっています。

ドローン測量で土量計算するなら「くみき」がおすすめ!

ドローン測量で土量計算するなら、解析ソフトが必要であることはお分かりいただけたはずです。

オルソ画像を作成し、そこから3D点群データを作り出し、さらにはデータを使用して計測できる機能が搭載されている解析ソフトが必要です。

その中でも特に、設定が簡単でどなたでも明日から使える解析ソフトを探しているなら「くみき」がおすすめです。

条件を満たしたドローンによる空中写真があればOK

「くみき」ならオルソ画像を作成する条件を満たした、ドローンによる空中写真があれば誰でも簡単に土量計算が可能です。

オルソ画像や3D点群モデルは、空中写真をクラウドにアップロードするだけで自動生成されるので、専門知識がなくても3D点群データが完成するのは大きなメリットです。

たった3ステップで3D点群データが完成し土量計算できる

「くみき」を活用すれば、たった3ステップで3D点群データが完成し、土量計算を誰もが簡単におこなえます。

ステップ1:ドローンで現地を撮影
ステップ2:写真をクラウドにアップロード、3Dデータを自動生成
ステップ3:「くみき」の機能で土量計算できる

このように、ドローンで撮影した写真をアップロードするだけで、オルソ・DSM・3D点群モデルが自動で完成します。

そして、そのまま「くみき」の計測機能を利用して土量計算を誰もがおこなえるのです。土量計算だけでなく、距離の計測や断面図の作成までも直感的に操作が可能ですし、同じ現場を複数回空撮した場合は、ワンクリックで時期ごとの差分を抽出できます。土量計算は何度も行うことが多いでしょうから、その増減を簡単に可視化できるというのはとても重要です。

「くみき」独自の充実した計測機能も搭載

「くみき」の計測機能には、体積や面積、高さを一括計測できる機能だけでなく、傾斜地のある複雑な地形での体積計算もおこなえる「くみき」独自の、便利で高度な充実した計測機能が搭載されています。

ほかのソフトではできない計測も「くみき」なら、画面上の操作で簡単におこなえます。

導入事例では採石業で棚卸管理のリードタイムを95%減少できている

「くみき」を導入した採石業者では、ドローン測量でこれまでの棚卸管理のリードタイムを95%減少させることに成功しています。

やはりドローン測量を導入するまでは、測量業務を外注しており結果がでるまでに3週間ほどかかることもあり、タイムリーな棚卸管理ができなかったとのこと。

そこで「くみき」を導入したことで、ドローンを飛ばして処理結果を得るまでの全てを含めても1日で可能になったようです。

まとめ

今回は「ドローン測量でも土量計算はできる?」について解説してきました。

ドローン測量が可能となるまでは、土量計算は測量会社に委託することがほとんどで、時間や外注費などコストがかかってしまい、なかなか頻繁におこなうことができませんでした。

ところがドローン測量が可能となり導入すれば、いつでも簡単に土量計算が可能となっています。

ただし、土量計算には解析ソフトが必要であり、オルソ画像作成・3D点群データ作成・計測機能などを搭載する、優秀な解析ソフトが必要です。

そこでおすすめしたいのが「くみき」であり、ドローンによる空中写真があれば、アップロードするだけでオルソ・DSM・3D点群データが完成し、すぐに土量計算が可能です。

自社にて土量計算を素早くおこなうなら、純国産ソフトで豊富な実績のある「くみき」がおすすめです。