i-Constructionとは?実施要領や3つの柱、事例を紹介

目次
国土交通省が進めるi-Construction(アイ・コンストラクション)とは いつから?i-Constructionが誕生した背景・目的 i-Construction(アイ・コンストラクション)の実施要領 i-Constructionと従来の施工方法との違い i-Constructionのメリット i-Construction(ICT)の導入・実施事例 i-Constructionの導入に関する補助金 i-Constructionの課題 i-Constructionが測量業界に与える影響 測量会社のi-Construction作業の流れ i-Constructionとドローン測量 「くみき」は地形データを自動生成でき、誰もが使える優秀な解析ソフト
i-Construction(アイ・コンストラクション)の登場によって、建設業界・測量業界の仕事の進め方は大きく変わりました。国土交通省は、ICTを建設現場に本格的に取り入れるとして、i-Constructionを継続的に推進しています。
とくに測量分野では、ドローンを活用した三次元測量が標準的な手法として位置づけられ、現場の効率化や安全性向上に直結する技術として広く普及しました。その影響は建設現場にとどまらず、インフラ維持管理や災害対応など、さまざまな分野へと広がっています。
この記事では、i-Constructionがどのような考え方で始まり、測量や施工の何を変えてきたのかを整理しながら、ドローンによる三次元測量が加速した背景や、実務における具体的な変化について解説していきます。
国土交通省が進めるi-Construction(アイ・コンストラクション)とは
出典:i-Construction推進コンソーシアムi-Constructionは、国土交通省が推進する「建設現場の生産性向上」に向けた取り組みです。調査・測量、設計、施工、検査、維持管理・更新まで、建設生産プロセス全体でICT等を活用し、生産性を大幅に高めることを狙いとしています。
i-Constructionの3つの柱

i-Constructionの中核となる考え方は、次の3つに整理できます。
1)ICTの全面的な活用
ドローンによる3次元測量や、3次元設計データ、ICT建設機械などを活用し、測量・施工・検査をデータでつなげていく取り組みです。人手による作業を減らし、安全性と作業効率の向上を同時に図ることを目的としています。
2)全体最適の導入
現場ごとに最適化するのではなく、調査・設計・施工・維持管理までを一つの流れとして捉え、規格の標準化やプレキャスト化などを進める考え方です。工程全体のムダを減らし、長期的な生産性向上につなげます。
3)施工時期の平準化
年度末など特定の時期に工事が集中する状況を見直し、人材や機材を年間を通じて効率的に活用できる体制を整える施策です。働き方の改善や人材不足対策としても重要な位置づけになります。
出典:i-Constructionの推進|国土交通省
i-ConstructionとDXの違い
i-ConstructionとDXは混同されがちですが、役割には違いがあります。
i-Constructionは、建設分野に特化し、ICT技術を活用して建設生産プロセスそのものの生産性を高めるための具体的な施策を指します。現場改善や施工効率化が主な対象です。
一方、DXは、デジタル技術の導入にとどまらず、業務の進め方や組織、働き方、文化そのものを変革していくという、より広い概念です。
現在は、i-Constructionを「建設現場におけるDXの実践」と位置づけ、インフラ分野全体のデジタル変革へとつなげていく流れが進んでいます。
i-Construction2.0とは
2024年4月、国土交通省は従来の取り組みを一段階進めた新方針として、「i-Construction 2.0」を策定しました。
i-Construction 2.0では、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割(生産性1.5倍)向上させることを目標に掲げています。その中核となるのが、次の3つのオートメーション化です。

- 施工のオートメーション化
- データ連携のオートメーション化
- 施工管理のオートメーション化
これにより、建設現場で働く一人ひとりが生み出す価値を高め、少人数でも安全かつ快適に働ける高生産性な現場の実現を目指しています。
i-Construction 2.0は、単なる技術導入ではなく、建設業界全体の姿を将来にわたって持続可能なものへ変えていくためのロードマップといえるでしょう。
出典:「i-Construction 2.0」を策定しました|国土交通省
いつから?i-Constructionが誕生した背景・目的
i-Constructionは、建設業界の深刻な人手不足と生産性低下という課題を背景に、2016年(平成28年)から本格的に始まった取り組みです。
当時の建設・土木業界は、2020年の東京オリンピックを控え、公共工事や再開発が集中し、市場規模は60兆円を超える水準に拡大していました。一方で、現場を支える技術者や技能労働者の高齢化が進み、若年層の入職は伸び悩んでいました。
背景にあったのが、「きつい・きたない・きけん」といわれる3Kのイメージです。作業負担の大きさや労働環境への不安が、若者の現場離れを招き、慢性的な人手不足を引き起こしていました。
このままでは、将来にわたってインフラを維持・整備し続けることが難しくなるという危機感が強まっていたのです。
そこで国土交通省が打ち出したのが、ICT技術を活用して建設現場の生産性を抜本的に高める「i-Construction」でした。ドローンによる3次元測量やICT建設機械の活用により、品質や安全性を確保しながら、少ない人数・短い工期で施工できる仕組みづくりを目指しています。
さらにi-Constructionは、単なる効率化にとどまらず、建設業界のイメージ転換も重要な目的としています。
i-Constructionが目指す新しい3Kの姿
- 給与が高い
- 休暇が取れる
- 将来に希望が持てる
このようにi-Constructionは、短期的な人手不足対策ではなく、建設業界を持続可能な産業へと変えていくための長期的な改革としてスタートしました。
i-Construction(アイ・コンストラクション)の実施要領
i-Constructionでは、ICT技術を建設プロセス全体に組み込むために、国が策定した実施要領・基準・手引き類が、現場での共通ルールとして整備されています。
これらは「ICTを使ってよい」という方針だけでなく、どの工程で、どのようなデータを使い、どのように確認・提出するかまでを具体的に示したものです。
ここでは、特に現場実務に直結する次の3つの要素について紹介します。
ICT施工全般
ICT施工の実施要領は、建設現場でICT技術を使って一連の作業を進める際の基本的な流れや要件を示したものです。
この中には、起工前の測量(3次元データ取得)の実施、設計図書の3次元化、施工段階での出来高・出来形管理、検査・電子納品までのプロセスが含まれています。
| 対象工種・内容 | 概要 |
|---|---|
| 土工・舗装工・路面切削工 | 3次元計測による出来形管理の監督・検査方法を定めた要領 |
| 河川浚渫工 | 浚渫工事における3次元出来形管理の検査手法 |
| 法面工・擁壁工 | 法面・擁壁工事における出来形管理の監督・検査 |
| トンネル工・基礎工 | トンネル・基礎工事の3次元出来形管理手法 |
| 構造物工(橋脚・橋台・床版) | 橋梁関連構造物の出来形管理・検査方法 |
| 小規模土工(1,000㎥未満等) | 小規模工事向けの簡易な出来形管理手法 |
| 全工種共通 | 3次元計測技術を用いた出来形管理の基本ルール |
詳しくは、国土交通省の要領関係等のページにまとめられています。
ICT施工要領は、単に機械を導入するだけでなく、各工程で取得するデータの取り扱いや成果品形式、施工から検査までの手順まで明確にしており、ICT活用工事を現場で安定的に実行するためのガイドラインとして機能します。
測量
i-Constructionでは、3次元データを前提とした施工・管理を行うため、測量についても従来より幅広い手法が公式に位置づけられています。
国土交通省では、GNSS、UAV、地上レーザ、車載レーザなど、さまざまな測量手法を公共測量で使用できるよう、マニュアルや要領を整備しています。
| 分類 | 主な内容 | 概要 |
|---|---|---|
| GNSS測量 | GNSS標高測量、マルチGNSS | 衛星測位を用いた標高・基準点測量を定めた手法 |
| UAV測量 | UAV写真測量、UAVレーザ測量 | ドローンを用いた3次元地形取得の標準手法 |
| 地上レーザ測量 | 地上レーザスキャナ、LidarSLAM | 地上から高密度な点群を取得する測量手法 |
| 車載・航空レーザ | 車載写真レーザ、航空レーザ測量 | 広範囲・線形構造物の効率的な測量に活用 |
| 3次元データ活用 | 数値地形図、断面図作成 | 点群データを設計・施工に活かすためのルール |
| 成果管理 | 公共測量成果改定、電子納品 | 3次元測量成果の管理・提出方法を規定 |
出典:マニュアル・要領等のダウンロード |国土地理院
これにより、測量手法の選択肢が広がり、現場条件や工種に応じた最適な測量が可能になっています。
監督・検査関係
国土交通省では、監督・検査に関する基準や運用ルールも体系的に整理されています。
従来の現地立会いや紙中心の確認作業に代わり、3次元データやデジタル情報を前提とした監督・検査を想定した資料が多数公開されています。
| 分類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 監督・検査基準 | 土木工事の監督・検査における基本的な考え方や手順 |
| 出来形・品質管理 | 3次元データを用いた出来形・品質確認の考え方 |
| 情報共有・電子化 | 情報共有システム、電子納品、電子検査に関する指針 |
| 工事成績評定 | ICT活用や働き方改革を踏まえた評価の考え方 |
| 遠隔臨場 | カメラや通信技術を活用した立会・検査の実施方法 |
出典:監督・検査・工事成績評定・土木工事共通仕様書関係|国土交通省
i-Constructionを前提とした工事では、「現場で人が集まって確認する」こと自体が目的ではなく、必要な品質を、効率よく・客観的に確認することが重視されています。
i-Constructionと従来の施工方法との違い
建設現場にICT技術を導入したi-Constructionですが、従来の施工方法との大きな違いは、最初に「ドローンによる3次元測量」を行う点と、測量から施工、検査までを一貫して行う点です。
従来では、測量はTS測量などによって測量会社が行い、その測量結果を基に平面図・断面図・横断図を使った設計図を作成。その後、設計図から土量を算出するなどの施工計画を作ります。
施工現場では、設計図に合わせて丁張を設置しこれに合わせて施工。検測と施工を繰り返しながら、土地を整形していきます。最終的な検査も、多くの書類を作成しアナログにて検査を行うので時間を要していました。
このように、従来の施工ではICT技術は一切導入されず、アナログチックな施工方法といわざるを得ない状況です。これに対してi-Constructionでは、施工会社が一貫して次の工程を行うようになりました。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| 1:ドローン等による3次元測量を実施 | 短時間で高密度な3次元測量が可能 |
| 2:3次元測量データによる設計・施工計画 | 3次元測量データから、切土・盛土などの施工量を自動算出 |
| 3:ICT建設機械による施工 | 3次元設計データ等によって、ICT建設機械を自動制御し建設現場のIoTを実施 |
| 4:検査の省力化 | ドローンなどによる3次元測量を活用した検査にて、検査項目が半減する |
i-Constructionのメリット
i-Constructionの手順を現場に取り入れることで、建設現場の進め方は大きく変わります。ここでは、特に効果を実感しやすいメリットを見ていきましょう。
時間的なコストが大幅に改善される
i-Constructionの大きなメリットは、工事全体の時間コストを大きく削減できる点です。
たとえば測量では、ドローンを用いた3次元測量により、従来は複数人で行っていた作業を少人数、場合によっては1人で完了できるようになりました。数日かかっていた測量や解析も、数時間で終わるケースが増えています。
設計や施工計画もデジタルデータを前提とするため、切土・盛土量などは解析ソフトが自動算出します。手作業による計算や修正が減り、工程全体がスムーズになります。
施工段階では、3次元設計データをもとにICT建設機械を制御できるため、作業は正確かつスピーディーです。検査工程でも自動化が進み、完了までの時間短縮につながっています。
こうした積み重ねにより、i-Constructionは工期全体を通じた大幅な効率化を実現しています。
ICT建設機械により、安全で安定した施工が可能
もう一つのメリットは、安全性と施工品質の向上です。
従来の建設機械の操作には高度な技能と経験が求められ、熟練技術者に頼らざるを得ない現場も少なくありませんでした。一方で、そうした人材の高齢化や不足が課題となっていました。
i-Constructionでは、3次元データを活用することで、ICT建設機械を自動制御できます。人の感覚や経験に頼らず、設計通りの施工が行えるため、品質のばらつきが抑えられます。
また、危険を伴う作業を減らせる点でも、安全性の向上に寄与します。人材不足が深刻化する建設業界において、i-Constructionは安定した施工を支える重要な仕組みといえるでしょう。
i-Construction(ICT)の導入・実施事例
ここでは、国交省が公開している直轄工事などの事例から要点をまとめて紹介します。
UAV測量で起工測量を短縮し、着手を早めた(i-Construction)
UAV(ドローン)による施工前測量を導入し、起工測量にかかる期間を大幅に短縮した事例が報告されています。
北海道千歳市の道央圏連絡道路 泉郷改良工事では、起工測量が約1週間から3日に短縮。北海道釧路市の北海道横断自動車道 湯波内西改良工事では、約10日かかっていた測量作業が1日で完了しました。
測量工程が短縮されることで、土工への着手を前倒ししやすくなり、全体工程の余裕確保や手戻り防止にもつながっています。i-Constructionの基本効果が分かりやすく表れた事例といえます。
ICT建機の活用で出来形が安定し、丁張削減につながった(i-Construction 2.0)
3次元設計データを活用したICT建機施工により、出来形のばらつきが抑えられ、施工品質が安定した事例です。
福島県桑折町の東北中央自動車道 保原桑折地区道路改良工事では、面的な転圧管理が可能となり、品質の均一化に寄与したとされています。
また、丁張の設置が不要または大幅に削減されたことで、段取り作業が減り、施工のしやすさが向上。経験の浅いオペレーターでも一定の品質を確保しやすくなった点が、i-Construction 2.0における施工のオートメーション化の成果として示されています。
省人化と安全性向上が、人材育成や現場公開にも波及(i-Construction 2.0)
測量や丁張設置、手元作業の削減により、現場の省人化と安全性向上を同時に実現した事例も増えています。
宮城県大崎市の鳴瀬川多田川米袋地区築堤工事では、従来は施工管理に最低3人必要だった体制を2人で対応可能となり、重機周辺作業の減少によって接触リスクも低減しました。
さらに、秋田県のICT活用土工実証検討会のように、ICT施工を研修や高校生向けの現場学習・PRに活用する動きも見られます。省人化・安全性向上にとどまらず、担い手確保や人材育成へ波及している点は、i-Construction 2.0の特徴的な成果といえます。
出典:
i-Construction の取組状況(ICT 土工事例集)ver.1|国土交通省
i-Construction 2.0の取組状況 中小建設業・地方公共団体の取組状況|国土交通省
i-Constructionの導入に関する補助金
i-Constructionの導入にあたっては、ICT機器の導入・ソフトウェア整備・人材育成といった初期投資が課題になりやすい一方で、国はこれらを後押しするため、補助金・税制優遇・融資制度を複数用意しています。
| 区分 | 制度名 | 主な対象 | 支援内容の概要 |
|---|---|---|---|
| 補助金 | ものづくり補助金 | ICT建機、3次元測量機器、システム構築 | 補助率1/2〜2/3、上限750万〜8,000万円 |
| 補助金 | IT導入補助金 | ICT施工ソフト、管理ソフト | 補助率1/2以内、上限150万〜450万円 |
| 補助金 | 人材開発支援助成金 | ICT施工・測量・管理の研修 | 訓練経費45〜70%+賃金助成 |
| 税制優遇 | 中小企業経営強化税制 | ICT建機・情報化施工機器 | 即時償却または税額控除(7〜10%) |
| 税制優遇 | 中小企業投資促進税制 | 建設機械・施工機器 | 特別償却30%または税額控除7% |
| 税制優遇 | 固定資産税の特例 | ICT建機等 | 最長5年間、固定資産税を最大1/3軽減 |
| 融資 | IT活用促進資金 | ソフト・ICT機器 | 低利融資(日本政策金融公庫) |
| 融資 | 環境・エネルギー対策資金 | 建設機械 | 環境性能を考慮した設備投資向け融資 |
出典:i-Constructionの導入に関する補助金・税制・融資制度|国土交通省
i-Constructionの課題
i-Constructionは多くのメリットがある一方で、導入・定着にはいくつかの課題もあります。
代表的なのが、初期コストの高さです。ICT建設機械や3次元測量機器、解析ソフトの導入には一定の投資が必要となり、特に中小規模の事業者では負担に感じやすい点が挙げられます。
また、人材面のハードルも無視できません。ICT施工や3次元データを扱うには、操作スキルやデータ理解が求められ、経験不足や教育の遅れが導入スピードを左右します。
現場条件や工事規模によっては、ICT施工の効果が出にくいケースもあります。すべての工事で同じ成果が得られるわけではなく、従来工法との使い分けが必要です。
i-Constructionが測量業界に与える影響
i-Constructionの導入は、単なる技術革新にとどまらず、測量業界の役割や立ち位置そのものを大きく変えました。ここでは、現場や業界構造の変化という観点から、測量業界に与えた主な影響を整理します。
ゼネコンとの協力体制が必須となってくる
i-Constructionでは、測量から施工、管理までを一連のプロセスとして最適化する考え方が採られています。そのため、測量業務だけが独立して発注されるケースは減り、工事全体を担うゼネコン主導の体制が基本となりました。
これにより、測量会社は「測るだけの受注者」ではなく、ゼネコンと協力しながら施工を支えるパートナーとしての役割が求められています。3次元データの提供方法や活用提案まで含めた連携ができるかどうかが、継続的な受注につながる重要な要素になっています。
昔ながらの技術者はふるいにかけられる
従来の地上測量や2次元図面作成を中心とした業務だけでは、i-Constructionの現場に対応することが難しくなっています。ドローン測量やレーザ測量、点群データの処理、GISや3D解析ソフトの活用が前提となり、技術者にも新たなスキルが求められるようになりました。
その結果、従来の手法にとどまる技術者と、新しい技術を習得し柔軟に対応できる技術者との差は広がっています。i-Constructionは、測量技術者にとっても意識改革とスキル転換を迫る取り組みだといえます。
測量の発注が変わる
i-Constructionの普及により、測量の発注形態も大きく変化しました。これまでのように、測量業務と工事が分離して発注されるケースは減少し、測量は工事の一部として組み込まれる形が一般的になっています。
そのため、測量会社が直接発注者から仕事を受ける機会は少なくなり、ゼネコンからの下請けや協力業務として関わる場面が増えています。この構造変化に対応できない場合、受注機会そのものを失うリスクも高まります。
測量技術と解析ソフトのセットがマストになった
i-Constructionでは、測量データを取得するだけでは不十分で、その後の3次元解析やデータ活用まで含めて価値が評価されます。ドローンやレーザによる計測と、それを3Dモデルや点群データとして加工・解析できるソフトウェアがセットで求められるようになりました。
測量会社にとっては、ハードウェアの導入だけでなく、解析ソフトの選定や運用ノウハウの蓄積が競争力を左右します。どのような形式のデータを提供できるか、施工や管理でどう使えるかまで説明できることが、差別化のポイントになっています。
現状は、地域の測量会社では対応できない
ドローンやレーザ機器、解析ソフトへの投資は高額になりがちで、さらに運用には専門知識も必要です。中堅以上の測量会社であれば、メーカーやソフト会社と連携しながら対応できる場合もありますが、小規模な地域測量会社にとっては大きな負担となっています。
その結果、i-Constructionへの本格対応が難しい測量会社も少なくありません。今後は、単独での対応だけでなく、外部との協業や役割分担など、新たな生き残り策を検討する必要性が高まっています。
測量会社のi-Construction作業の流れ
i-Constructionに対応した測量業務では、従来の「測って図面を納める」だけの役割から一歩進み、施工や管理までを見据えた一連のプロセスへの関与が求められます。測量会社が現場で担う作業は、主に次の流れで進みます。
まず行われるのが施工計画・準備です。工事内容や現場条件に応じて、ドローン測量、地上レーザ測量、GNSS測量など最適な3次元測量手法を選定します。あわせて、精度確認試験結果や飛行計画書など、施工計画書に必要な資料について施工会社と協議を行います。この段階で工事基準点や水準点の点検・設置を行い、起工測量の準備を整えます。
次に起工測量の実施です。工事着工前の現況地形を3次元データとして取得し、正確な地形モデルを作成します。この3D地形データをもとに、平面図や縦横断図、数量算出に必要な基礎資料を整備します。i-Constructionでは、この起工測量の精度とスピードが、後工程の効率を大きく左右します。
その後、施工段階の支援に移ります。起工測量で作成した3D地形データと設計データを照合し、切土・盛土量の算出や、ICT建設機械で使用するマシンコントロール・マシンガイダンス用データを作成します。測量会社は、施工会社がICT建機を円滑に活用できるよう、データ面から支援する役割を担います。
施工が進むと、出来形管理の工程に入ります。施工後の地形を再度3次元計測し、設計データと比較することで、出来形を面的に確認します。この結果をもとに、出来形管理帳票や検査用資料を作成し、品質確認をサポートします。
最後が完成・電子納品です。i-Constructionに対応した電子納品要領・基準に沿って、3次元データや帳票類を整理し、発注者へ提出します。ここまでが、測量会社が関与する一連のi-Construction作業の流れとなります。
i-Constructionとドローン測量
i-Constructionの普及とともに、ドローン測量は建設・測量分野に欠かせない技術となりました。とくに3次元データを前提とするi-Constructionでは、ドローンによる測量が、工程短縮や品質向上の起点として重要な役割を担っています。
i-Construction以外でもドローン測量が活用されている
ドローン測量は、i-Constructionに限らず、さまざまな分野で活用が広がっています。たとえば、造成計画の検討、太陽光発電施設の設計、災害時の被災状況把握、森林や斜面の管理など、3次元で地形を把握したい場面では幅広く利用されています。
公共工事ではi-Constructionを契機に一気に普及しましたが、現在では民間工事や建設業界以外の分野でも、手軽に三次元点群データやオルソ画像を取得できる手法として定着しつつあります。
ドローン測量で得られる3D地形モデルは活用方法が無限にある
ドローン測量の大きな特長は、3D地形モデルを取得できる点にあります。上空から撮影した複数の画像をもとに、X・Yの平面情報だけでなく、高さ情報を持つ三次元データとして地形を再現できます。
この3D地形モデルは、任意の位置で断面を切り出したり、面積や体積を自動算出したりと、活用の自由度が非常に高いのが特徴です。視覚的にも分かりやすいため、設計検討や関係者との合意形成にも役立ちます。
植生に覆われた斜面や広大な土地でも全体像を把握しやすく、利用者の目的次第で活用方法は大きく広がります。
ドローン測量では解析ソフトが効率化のカギを握る
ドローン測量は「ドローンを飛ばせば終わり」というものではありません。撮影した画像を三次元データに変換し、実務で使える形にするためには、解析ソフトの存在が不可欠です。
写真測量ができるドローンを使うことが必須
3次元測量を行うには、オーバーラップ撮影ができ、位置情報を正確に取得できる写真測量向けのドローンを使用する必要があります。適切な機体とカメラを用いれば、飛行計画を設定するだけで自動航行による撮影が可能となり、安定した測量データを取得できます。
i-Constructionで求められる精度を満たすためには、機体性能やカメラ性能も重要な要素となります。
解析ソフトのスペックで活用データに差が出てくる
解析ソフトの性能によって、作成できるデータの種類や精度、作業効率は大きく変わります。オルソ画像だけでなく、DSMや点群データまで扱えるソフトであれば、設計・施工・管理まで幅広く活用できます。
また、クラウド型かローカル処理型かによっても利便性は異なります。クラウド解析であれば、複数人でのデータ共有や遠隔からの確認がしやすく、現場全体の効率向上につながります。
ドローン本体と解析ソフトはセットで考える必要があり、この組み合わせが、i-Constructionにおけるドローン測量の価値を左右するといえるでしょう。
「くみき」は地形データを自動生成でき、誰もが使える優秀な解析ソフト

ここまでで、i-Constructionをスムーズに実行するには、ドローンとスペックの高い解析ソフトが必要であることがお分かり頂けたと思います。
そこでスペックの高い解析ソフトである「くみき」を、ご紹介しましょう。「くみき」は専門的な知識を必要とせず、ドローンで撮影した画像データをクラウド上にアップロードするだけで、オルソ画像や3D点群データなどの地形データを自動生成できる、優れた機能を搭載しています。
誰もがカンタンに操作できるので、専門家は不要
優秀なスペックの高い解析ソフトであっても、3次元データを生成させる際に専門の知識が必要なケースもあります。
そうなると誰もが使えるソフトではなくなるので、専門家が不在であればお手上げです。
その点「くみき」は、カンタンな操作方法で誰もが使えるソフトなので、専門家は不要です。しかも、専用の高スペックパソコンなども不要なので、コストパフォーマンスにも優れています。
「くみき」の12の主要機能をご紹介

ここではカンタンに「くみき」で活用できる、12の主要機能をご紹介します。
| No | 機能名称 | 機能紹介 |
|---|---|---|
| 1 | 地形データ自動生成機能 | ドローン画像からオルソ画像・DSM・3D点群データを自動で簡単に生成 |
| 2 | 各種ドローン測量機能 | WEB上で距離・体積・断面などの地形計測を、誰でも直管操作できる |
| 3 | 地図上コンテンツ管理機能 | スマホやドローンで撮影した写真・動画を、Web上で見やすく管理できる |
| 4 | タグ・ラベル機能 | タグやラベル機能で、現地データや関連資料を容易に整理・検索が可能 |
| 5 | 多時期位置補正機能 | GCPや測量機器を使わずに異なる時期の画像や位置ズレを楽々補正する |
| 6 | 多時期比較機能 | 最大4時期の同一エリアの経年変化や差分の計算も、同じ画面で簡単に比較分析できる |
| 7 | 地形データインポート機能 | 他ソフトで生成されたオルソ画像や点群を取り込み、一元管理が可能になる |
| 8 | GCPインポート機能 | 座標点の位置情報を取り込み、正確な位置情報を持つ地形データを生成できる |
| 9 | 地形データ出力機能 | 地形データをGeoTiff、Laz・Las、CSVでダウンロード、専用ソフトで編集も可能 |
| 10 | スマホアプリ連携機能 | 現場から写真や動画をすぐに共有したり、俯瞰のオルソ画像を現地で確認することも可能 |
| 11 | フォルダ自動振分け機能 | 複数エリアの画像データを全部まとめてアップロードしても、AIが自動でフォルダ分けしてくれる |
| 12 | ダッシュボード機能 | ファイルアップロード数やオルソ画像生成数などのご利用状況を、1つの画面に集中表示できる |
GCPインポート機能は特におすすめポイント

「くみき」の主要機能の中で、最もおすすめな機能は「GCPインポート機能」です。
GCPとはグラウンドコントロールポイントの略で、座標が分かっている地上の点のことです。一般的な飛行機などによる空中写真測量では、対空標識と呼ばれるGCPを地上に配置し、撮影後に座標値を与えて標定を行ないます。
ただし、一般的な航空写真の標定には、3次元で写真を見ることができる専用の機器やソフトが必要であり、さらに経験を積んだオペレーターでないと正確な座標付与ができません。
「くみき」ではGCPの座標情報をCSVでアップロード、もしくは画面上で入力するだけで、正確な位置座標を持つ地形データを生成できます。
まとめ
i-Constructionでは最初の工程に、ドローン等による3次元測量が必須となっています。このことが、ドローン測量を普及させる要因になったことは間違いないでしょう。
i-Constructionへの適用を目指しドローン測量の精度を向上させてきた結果、ドローンによる3次元測量は建設業界だけでなく、あらゆる多様な業界で活用されるようになっています。また、建設業界でも従来の測量からドローン測量に置き換わってきました。
建設現場でのICT建設機械の導入は、これから必須となり高性能なICT機械が登場することとなるでしょう。そして、ドローン測量による精度の高い3次元データが求められます。
そのためには、ドローンの精度向上はもちろんですが、解析するソフトも高いスペックが必要となります。
「くみき」は、i-Constructionの起工測量・出来高計測に対応する精度で測量データを生成する機能も有し、生成したデータをダウンロードし活用することができます。
IT導入補助金も利用できるので、気になる方はぜひスカイマティクスにご相談ください。
出典: